前回のテーマとして日本人の収入の現状について解説しました。
今回は、貯蓄の現状について一緒に確認していければと思います。
前回解説した日本人の収入の現状についてご覧になっていない方は以下のリンクからご確認ください。
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貯蓄の現状
日本人の2人以上の世帯における貯蓄の現状について、貯蓄現在高は1,880万円と3年連続増加傾向にある状況にあります。
インフルエンサーが投資への動機付けをするものの、代々受け継がれている貯蓄マインドが変化せず、貯蓄への割合が増加している状況にあると言えます。
さて、それでは、世代別、地域別などにそれぞれ確認していきましょう。
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世代別
総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年」から、世代別の貯蓄額の平均値については以下のとおりです。
1世帯あたり貯蓄現在高をみると、40歳未満の世帯が770万円未満と少なく、60歳以上の各年齢層において2,000万円を超える貯蓄現在高となっています。
つまり、子育てなどで最も支出を必要とする時期に十分な貯蓄がなく、子弟教育に影響が出てもおかしくない反面、60代以上の子育てが終了し、勤め上げた仕事も定年し、第2の人生を送っている世代が貯蓄を蓄えている状況にあり、日本経済の活発化を図るには30代、40代の貯蓄額を増やし、経済的な消費が可能となるよう促していく必要があると言えます。
年代 | 平均貯蓄額 |
20代 | 414万円 |
30代 | 774万円 |
40代 | 1,134万円 |
50代 | 1,846万円 |
60代 | 2,537万円 |
70代以上 | 2,318万円 |
地域別
2人以上の世帯の平均貯蓄額を貯蓄の多い順に都道府県別にまとめると、以下の上位5位、下位5位のランキングとなりました。
貯蓄額のトップは東京都の2,378万円、他方、最下位は沖縄県で625万円です。一概に言えない部分もありますが、年収と貯蓄額は比例しているようにも見えるかと思います。つまり、年収が多いほど貯蓄が多い傾向にあるということです。
順位 | 都道府県 | 県庁所在地 | 年収(万円) | 貯蓄(万円) | 年収に対する貯蓄額(%) |
1 | 東京都 | 東京都区郡 | 804 | 2,378 | 296% |
2 | 愛知県 | 名古屋市 | 674 | 2,361 | 350% |
3 | 神奈川県 | 横浜市 | 721 | 2,301 | 319% |
4 | 徳島県 | 徳島市 | 578 | 2,269 | 393% |
5 | 富山県 | 富山市 | 772 | 2,248 | 291% |
略 | ー | ー | ー | ー | ー |
43 | 熊本県 | 熊本市 | 581 | 1,046 | 180% |
44 | 宮崎県 | 宮崎市 | 592 | 1,025 | 173% |
45 | 愛媛県 | 松山市 | 709 | 983 | 139% |
46 | 青森県 | 青森市 | 455 | 899 | 198% |
47 | 沖縄県 | 那覇市 | 444 | 625 | 141% |
貯蓄の壁という現実
預貯金、株式、債券、保険など、世帯と して保有する金融遺産の合計から負債を差し引いた純金融資産保有額をもとに、総世帯をおおよそ5つの階層に分類し、世帯数と資産保有額を推計すると以下のとおりとなります。
ちなみに、富裕層と超富裕層世帯数は、いずれもアベノミクスの効果により2013年以降増加しており、安倍政権の経済政策の効果が出ていると言えるかと思います。
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これらの、底辺であるマス層にまずはたどり着くべく、お金を増やしたいと考えている方は認識しておく必要のある壁が2つあります。これらの2つの壁を突破し、アッパーマス層以上の富裕層の道へ進んでいければいいですね。
100万円の壁
まず一つ目の壁は100万円の壁です。この壁を越えられない人は支出のコントロールができない状況にある人だと思ってもらえればと思います。
自分の好きな物を好きなだけ購入し続けることによりこの壁は突破できないこととなります。自分に今必要な物は何か、真に必要な物は何か、などをうまく見極めて貯蓄や投資にお金を回していくことができるようにならなければなりません。
500万円の壁
次なる壁が500万円の壁です。ある程度の支出のコントロールはできるのですが、貯蓄が一定額貯まってくると、車の購入やアクセサリーの購入など大きな物に一気に浪費してしまう状況にある人は、なかなか500万円の壁を突破することは難しいでしょう。
世界との比較
主要各国の貯蓄率の推移については下表のとおりです。
ヨーロッパやアメリカなどの各国と比較して日本の貯蓄率は低い傾向にあることが分かります。
2009年のアメリカのリーマンショック以降回復に至るものの2014年には日本の貯蓄率はほぼゼロの状態となっています。
また、直近では2020年のコロナショックによる貯蓄率の低下を受けて、これから回復していくことが期待されていますが、日本は出遅れている状況にあります。
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日本人は、戦後の高度経済成長時の銀行の高金利時代の考え方から脱却できず、投資よりも、現金・預金で金融資産を保持する傾向にあります。
下のグラフのとおり、アメリカやユーロ圏の国々と比較しても、日本の株式投資などの割合は圧倒的に低い状況です。
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まとめ
日本人の貯蓄の状況について、国内状況の推移や世界各国との比較などについて確認してきました。
収入が上がらないことに比例して貯蓄も増加しておらず、世界的にみても低水準の状況にあることがご理解いただけたかと思います。
悲観してしまいがちですが、悲観してばかりでは何も前に進みません。副業などにより少しでも収入を増加させて、株式や国債に投資をして、金融資産を確実に増加させて、安心した老後が過ごせるように着々と蓄えていく必要があると思います。
投資について解説している過去の記事もありますので是非参考にしてください。
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